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不良の彼は 甘くて強引
第18章 因縁
────…
「──じゃあ、最近あんまり会ってないんだ」
「うん、…ん、でもちゃんと会えてるんだよ?先々週の火曜日とか…」
「それ微妙よ、遠距離恋愛じゃないんだから…、たまには自分から誘ってみれば?」
美佳には二人の関係が不思議でならなかった。
決して冷めてるわけではないと思う。
なのに、キャンパス内で休憩時間をともにする事もまれだし、昼食だって一緒に食べることはない。
“だいたい、メール交換もしないなんてどういうことよ ”
このご時世に……。
夏は海に行くって聞いたからはりきって服も選んだのに。
その話になった途端に顔を赤くするだけで何も喋ろうとしない!
なんか幸せそうだからいいけどさ……。
まぁ、変わったことと言えば
マスクを外したことね。
──そう
夏の休みが終わり初めての講義の日、どことなく気まずそうな様子の柚子はマスクをつけておらず
美佳をはじめまわりの友人達を驚かせた。
「…ある意味、これも大きな進歩か……」
「…ん?」
溜め息混じりにぼそりとこぼれた美佳の独り言に、柚子は首を傾げた。