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不良の彼は 甘くて強引
第18章 因縁
「じゃあ、医学部に進んだのも何となくですか…」
どうせ
天才が暇つぶしに一番難しい大学に入ってみた
って感じなんだろうなー…。
ふん、それならハーバー○大学にでも行っちゃえば良かったのに…。
だが匠の答えは少々意外なものだった。
「愚問だな、医者になるために決まってるだろう」
「え!!…匠さん医者になりたいの…!?」
「文句あるのか」
文句はないけど…
いや、ある
医者に憧れるような人には全く見えない。
「医者に…、なりたいんですか…?」
柚子はもう一度、慎重に聞き直した。
「将来の職業を考えた時、医者が一番割に合う」
「なんで…!?」
「客や上司に媚びへつらう仕事は御免だからな。…その点、医者なら腕さえあれば誰にも文句は言わせない」
「そうかなぁ…お医者さんだってそれなりに…」
「それに」
匠は柚子の反論を遮る。
「人間の命が、俺の手によって左右されるんだ…。これほど面白いゲームが他にあると思うか?」
「・・・・!!」
そう言って不敵に笑う目の前の男に、柚子は呆れるを通り越して恐怖を感じてきた。
「……異議あり」
すっかり青ざめた柚子がぼそりと呟く。