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不良の彼は 甘くて強引
第18章 因縁
そんな話を続けるうちに、二人は駅に着く。
「まぁ、ゲームを楽しむにはそれなりの腕と学歴が必要だからな。…俺も苦労している」
「どーぞ頑張ってください」
口を尖らせた柚子は興味なさ気に返答すると、ぺこりと頭を下げて別れの挨拶をすませる。
「待て」
「(ビクッ)……はい?」
「そういえば、お前も病にかかっていたな」
「わたしが…?」
匠の意図することがよくわからず、柚子は首を傾げて匠を見上げる。
身に覚えがない…。
「どんな病気ですか?」
「病名は…知らんない。《すぐ泣く》病気だろ」
「それ…!」
病気じゃないし…!!
だいたい
毎回匠さんが原因だし。
「…治してやろうか」
「え…、どうやって?」
「こうすれば…治る──」
チュッ...
「…///」
真っ赤になって俯く彼女の頭を、匠はからかうように叩いた。
「…じゃあな泣き虫」
.....