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不良の彼は 甘くて強引
第19章 異変
どこにも行けない柚子は、トボトボと靴下のままでアパートを後にする。
靴を握るその手に冷たい秋風が吹き付けていた。
いっそ雨でも降ってくれたら、ある意味それこそ最高のシチュエーションだ…。
「……」
皮肉ね…
「──…どうかした?」
暗闇から聞こえた突然の声に
柚子の肩がビクリと反応する。
「……!!」
なんで……?
「なんで、まだ……!?」
アパート前のブロック塀に背を預け、その人物は空を見上げて立っていた。
「…嫌な予感がしたから」
「……っ」
ゆっくりと
顔をこちらに向けた。
「こんな時に限って…俺の勘はあたってしまう…」
「ずっと、ここに…?」
三上先輩……!!