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不良の彼は 甘くて強引
第20章 すれ違いは…

───…
その夜、わたしは三上先輩のお家に泊めさせてもらうことになりました。
彼の家は電車に乗って4駅分、そこの駅前にある、比較的新しい小ぎれいな、匠さんほどではないけど広々としたアパートです。
「何か食べたい物ある?」
簡単な物しか作れないけど…
そう言って、ある食材を物色し始める先輩。
「先輩は基本的に、自炊なんですか?」
「そうだよ、今日は簡単に…カレーでいいかい?」
料理のできる男性というのは、これまた女の憧れです。
実際にその秋野菜カレーはとても美味しくて…
わたしが美味しいと伝えると
先輩は笑って言いました。
「それはよかった……女性を口説き落とすには、先ずは胃袋から掴まないとね」
「…ふふっ」
先輩のおどけた言い方に、わたしの心が少しずつほだされていく。
その後シャワーも貸してもらって、わたしは本当に申し訳ないくらいに先輩のお世話になりました。
ただ一番困ったのが
寝る場所の問題で……。
「──いや、先輩がベッドを使ってください!」
翔の部屋には匠のようにソファーなどがあるわけではなく、代わりに床に寝ようとした翔を柚子が慌てて止める。
女性を床に寝させるわけにはいかないと、翔も同じように困っていた。
「わたしが床に…!」
「それは駄目だよ」
両者ともになかなか譲らない。
そこで、埒があかないと判断した翔はとんでもない提案をした。
「…なら、一緒に寝よう」
「えーー…ッ!」

