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不良の彼は 甘くて強引
第20章 すれ違いは…
翔の提案に動揺する柚子だが…そこで断るのは逆に失礼だと判断し、二人でベッドに寝ることに…。
壁側に翔が仰向けに寝て、反対側に、柚子が彼に背を向ける形で布団に入り込んだ。
“……!!”
ベッドから落ちそうな位置で危うい体勢の柚子。
あたり前だが、緊張しすぎて眠るどころではなかった。
そんな彼女の心境をよそに
翔はリラックスした様子で、片手を頭の下に滑り込ませルームランプの灯りで本を読んでいる。
「・・・・」
…隣で男性が寝ていたら、嫌でも意識してしまうものだ。
柚子は先ほどの、匠のアパート前で彼に抱き締められた感覚を思い出していた。
その時感じた翔の身体は匠ほどではないにしろ…普段のイメージとは違った非常に男らしい逞しさがあった。
「先輩って…何かスポーツしてるんですか?」
「…ん?」
相変わらず…
彼女の唐突な質問は翔を驚かす。
「ああ…、俺はテニスかな。中学と高校、サークルも入ってるし」
「テニス…!」
似合う…!
きっと部長だっただろうな。
それも自分から立候補とかではなくて、周りに推薦されたりとかして…。
“匠さんは……”
不意に、匠の事を思い出す。
サッカーとか、バスケットボールだろうか…
野球でないことは…確かだけど!
それか部活なんてしてないかもね。
「面倒臭い」
とか言っちゃってさ。
柚子は心の中で匠を真似て言ってみる。