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不良の彼は 甘くて強引
第21章 弱者は弱いか



「まぁ、俺にもわかることがあるとすれば…」


「……」


「匠は" 弱者 "が嫌いだ」


「弱者…!?」


「それに寄り添う人間も、あいつは嫌いだ……!」



なんで、そんなこと…



「匠自身、くだらねぇ拘りだと自覚はしてる。…だけどもう、それがあいつの生き方になっちまった」




その時休憩時間の終わりを告げる合図が聞こえた。

修一は仲間のもとへ戻る。



「…お前なら関係無いかと思ってたけどな」


「わたし…?」


「…、やっぱ駄目だったか」










────…








結局──

修一さんからはそれだけしか聞けなかった。



「弱者を嫌う…」


何故そんな風に?

植物状態…つまり脳死の状態になったお父さんが、弱者だって言いたいの?



《あんな男、俺の親でも何でもないさ》


だから、匠さんはあんなにお父さんに酷い言い方を…?


いまいち納得できない。




カフェテリアに腰掛けた柚子は、修一の言葉を思い出しながら窓越しの風景をただじっと見つめていた。




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