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不良の彼は 甘くて強引
第22章 囚われた生き方
「…修一」
背中越しに問い掛ける。
「お前は…生き方を変えられるか」
「……?」
生き方…
今度は何を言い出すんだこいつは。
俺の脳みそじゃお前の思考過程についていけねぇんだよ。
「ま、いつまでも自由人を気取って女遊びもしてられねぇ。…今の職場も安定してきたし、そろそろただの不良にも賞味期限だな」
そう強く言い切った修一に
匠はフッと笑った。
家も持たない居候が…
でかい態度とりやがって。
だがお前の言うことはもっともだ。
「俺には…できん」
「・・・」
「社会を腐らせる弱い連中が目障りでしょうがない……、奴らへの怒りが…ふとした瞬間に抑えられないんだ。──…ハッ、単純だな」
お前の言うとおり、がんじがらめだ……!
匠は自分自身を嘲笑う。
そんな俺が、柚子とどう生きていけばいいと言うのか。
あんな華奢な身体で、繊細な心で、どう俺を受け止めろというのか。
すぐにまた、俺はあいつを傷つけるだけだ。
「…無駄話はそろそろ終わるぞ。俺も寝る…お前は布団のシワを伸ばしておけ」
ペンをテーブルの上に投げ出した匠はそう言うと、布団の上に腰を下ろしたままの修一を一睨みしてバスルームへと消えていった。