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不良の彼は 甘くて強引
第22章 囚われた生き方
マフラーにすっぽりと首をうずめた柚子。
少しして、彼女の待ち人がやって来た。
「…待たせた?」
…先輩っ
「…いいえ、こんばんは」
鼻の赤くなった柚子は、目を細めて笑う。
「待ち合わせの時間にはまだ30分ほど早いけど…」
「…でも、先輩は絶対に早めに来ると思って…!」
結局、どっちもどっちだ。
「…なら俺は、今度からは待ち合わせの40分前には来なきゃいけないな」
「……なら、わたしは1時間前に来ます」
真顔でそう言う柚子に、翔は困った顔をして爽やかに笑った。
「ハハッ…、それは勘弁してくれよ! ……じゃあ、そろそろ行こうか」
返事をしようとした柚子。
翔は彼女の顔を覗き込んで、その鼻にちょいと触れる。
「……君の鼻が、真っ赤なイチゴになる前にね」
「…//」
「ごめんごめん、少し意地悪だったね…。さ、行くよ」
…少し意地悪?になった翔
そんな彼に柚子は照れずにはいられなかった。