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不良の彼は 甘くて強引
第23章 お前を喰わせろ
考えてみれば
その理由は明確だ。
有名大学病院のエリート外科医から、自殺未遂者へ…
訴えた相手の転落と同時に
必然的に立場が上になった奴らは
慌てて逃げ出したのだ。
弱い奴らはいつもそうだ…!
権力を羨み力のある者を妬みながらも、自分がその場所に収まることを何よりも恐れる。
自分は無力だと嘆きながら、責任逃れだけは一人前だ。
生ぬるい世界に甘んじて
互いに寄り添い助け合い
" 責任 "を持たない人間は
独りよがりな正論も言い放題。
その居心地のよさに酔いしれたお前たちは結局…、自分では何一つ打開する気もないのだろう。
ならば、黙っていればいいものを──
お前たち弱者は
強者の責任を問い詰めずにはいられない。
『匠くん、何かあったらいつでも相談しなさいね』
そして俺にも…" 父親が自殺して可哀相 "
そんな扱いをし始めた。
……ふざけるな。
俺を貴様らのような"弱者"と同類にしてくれるな。
喧嘩だけではない…
勉学でも、俺は"強者"になってみせよう。
そして医者になれば、俺は命を人質に好きなように振る舞える。
権力者らしく金にだって強欲になってやるさ。
力と金が──
強者の証か?
弱者がそれを悪とするのなら
俺がその体現者になろうじゃないか。
…それこそ、お前たちがこの俺に求めたことなのだろう?
─────