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不良の彼は 甘くて強引
第4章 目覚め

男は部屋の隅にある椅子に腰掛けると、彼女の方へ向き直る。


「気分はどうだ」

「‥‥あ…!!」


柚子はガクガク震える身体を必死に動かし座ったまま後ずさった。

逃げようと思えばそれだけ…身体の震えが大きくなる。



「なんだそれは、それで逃げているつもりか?」


男はすくっと立ち上がった。


「きゃああああ!!!」


怯える柚子から悲鳴があがる。


男はさっさと柚子に追いつくと足首を掴んで力いっぱい引き寄せた。


仰向けの彼女に覆い被さり
顔をピタリと近づける。



「………ッ!」

「怖いか?くくっ、そそるんだよな…その表情」

「──…」



「今からもう一度」



さらに顔が近づく





「犯してやろうか?」




「……っ」




ビシッ!!!





匠の頬に、柚子のビンタが炸裂した。






「・・・・」


匠の顔から笑みが消え

その目が柚子を冷たく見下ろす。




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