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不良の彼は 甘くて強引
第25章 温もり

結局ケーキを全部たいらげてしまった匠は、とくにする事も無いままに暇を持て余す。

テレビのスイッチを入れ、ソファーに座ると興味もなさ気に画面を眺めていた。



「……」


ケーキを届け終わった柚子もこれといった用事は無いのだが…

匠の横にちょこんと座る。

何故だか今日は、彼と一緒にいたかったのだ。



匠は横に座った彼女の頭を掴んで、自身の胸に寄りかからせる。

柚子に目をやることもなく、無言のまま彼女の髪を撫でる…。



一緒になってテレビを見る柚子はその内容が全く頭に入ってこなかった。




頭上の横顔にチラリと目をやる柚子。




《 ……お前のために…変わってやろう 》



あの言葉は…

まさか
夢じゃないよね?


正直なところ、昨日の記憶はほとんど…ない。


ケーキを届けに来て、大胆な事を自分が口走ったとこまでは覚えてるけれど…。



「……////」

詳しく思いだそうとすると無性に恥ずかしさがこみ上げてくる柚子であった。




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