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不良の彼は 甘くて強引
第25章 温もり

「まぁいいだろう…。近場ならどこでもいい、行きたい場所を言え」

「うーん…」


どこでもいいと言われるのが一番困る…。

近場でしょ?
どこかあったかな。



「…じゃあ、動物園がいいです」


「………、…小学生か」


「だってわたしの地元には動物園がなかったんですもの」


そう、柚子は今までに動物園に行った記憶が殆ど無かった。

昔、家族旅行で九州に行った時は訪れたのだが…、なにせ小さかったからあまり覚えていない。写真が残っているくらいだ。


水族館はあるんだけどな。


「結構近くにありましたよね…動物園。わたし行ってみたかったんです」




それに…

たぶん、匠さんも行ったこと無いんじゃないかな

そう思ったから。



「……」


祭りといい、動物園といい

柚子が行きたがる場所は匠にとっては未知だった。





いや、これが……


この女と生きるという事
そのために、俺が変わるという事か。



「…いいだろう。連れて行ってやるよ」



先ずはほんの

小さな事からだ。




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