この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第25章 温もり
匠はというと、動物たちよりそんな彼女の方を面白がって見ていた。
何故そんなことを疑問に持つんだ。
そんな些細なことまで…
目に留める必要があるのか。
「よくよく考えると……何でシマウマはあんな模様になっちゃったんでしょうか」
ダーウィンの進化論が正しければ…
茶色の馬がシマウマに?
それともシマウマが茶色に進化していったのかな?
──柚子の疑問が尽きることはない。
「…何故だろうな」
そして匠は、彼女の問いかけに答えることのできない自分に驚く。
未知の疑問…
今まで頭をよぎることすらなかった世界。
柚子とともにいることで、初めて開かれる世界。
何故…
お前の目はそれほど輝いている。
「匠さんは?不思議だと思いませんか?」
「ああ…、…不思議だな」
お前の方がよほど
俺にとっては不可思議だ…。