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不良の彼は 甘くて強引
第25章 温もり
「匠さん、匠さんっ! …この子なら平気ですよね」
「…!?」
幸せそうに柚子が抱きかかえてきたのは、腕の中にすっぽりと収まってしまうくらいのまだ小さな、ミニチュア・ダックスフンド。
流石に…この子なら彼にも大丈夫だろう。
柵の上から手を入れさせて
半ば強制的に匠に押し付ける。
「…っ」
「危ないっ…、絶対に落とさないでくださいね?」
「…ゴクリ」
返事の代わりに
彼が大きく唾を飲み込むのが聞こえた。
「……」
恐る恐る、その表情を確認すると…
いつもと変わらずの無表情。
“でもやっぱり…”
どこか、怖がっているように感じる。
そして
戸惑っているようにも感じた。