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不良の彼は 甘くて強引
第25章 温もり




.....





「──…正気かお前…」


「あの子を抱っこしたいんです…」



やっと犬から解放された匠が彼女に最後に連れてこられたのは、爬虫類のコーナー。



「・・・・」

床を歩くゾウガメを見たり、イグアナを腕にのせる程度なら理解できるが…

あれは……

「あれは抱くというより、巻き付かれているぞ」

…蛇じゃないか。




「でもあの子がいい」

「…駄目だ」


係員に巻きついた巨大な…
恐らくはニシキヘビの一種。


二人に気付いた男の係員が愛想良く近付いてきた。




抱いてみます?


興味津々の柚子に話しかける。



「ぜひ!!」

「駄目だ!」

「…なんでですか?」


少し頬を膨らませて、匠を見上げる柚子。



「どうみても危険だろう」

「大丈夫ですよ」

「…お前のような細っこい女には無理だ、あの大きさは」

「平気ですって!」



柚子に蛇なんぞを巻き付かせてたまるか


匠は譲らない。





「それなら…」


埒があかないと判断した係員は、とんでもない提案を持ち出した。



「…彼女が心配なら、代わりに彼氏さんが抱いてみますか?」


「…──!?」


「えー…匠さんずるい…っ」





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