この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第25章 温もり
────
二人が動物園を後にしたのは午後五時
薄暗かった空がしだいにその暗さを増していく。
「…着いたぞ」
匠の声を聞いて、彼の背中にしがみついていた柚子はぶかぶかのヘルメットを外す。
「そもそもヘルメット無しで…寒くないんですか?」
「平気だ」
蛇を抱かされてから益々ムスッとした様子の匠は、心配する柚子の言葉に素っ気なく返す。
やっぱり笑ったから怒ってるのかな…
謝ろうか、でもそれは逆効果な気もするし…。
バイクから降りた柚子
「・・・・」
着いたって言われても…
「匠さん…ここ、わたしの家じゃないんですが…」
匠さんのアパート。
「何が悪い」
匠は戸惑う彼女を見ることなく、当然だろうという口振りだった。
「……!?」
…え?