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不良の彼は 甘くて強引
第26章 連鎖
──…カンッ
「……!」
「…ん?」
部屋に響いたその控え目な金属音
…扉をノックした音。
「誰だ」
警戒した声色で
扉の向こうに問いかける。
「……俺だ、健吾」
それは健吾の仲間の声だった。
柚子の服にかけられていた手が離され身体を起こした彼は
「何かあったか」
扉へと歩いていく。
ガチャッ
だが
鍵が上げられると同時に勢いよく開け放たれた扉の前にいたのは、彼の仲間ではなかった。
ガツ!!
不意打ちで開かれた扉は鈍い音を響かせて健吾の顔面にぶち当たり、そのままの勢いで彼を横に吹っ飛ばす。
「‥‥っ・・!!!」
声にならない声とともに床に倒れ込んだ健吾。
.....
──開かれた扉の向こう
「…、柚子…」
立ち尽くす男は、静かに彼女の名を口にした。