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不良の彼は 甘くて強引
第26章 連鎖
拳でしかぶつけられない
そんな自分は市ノ瀬に取り残された。
「…う‥ッ」
力無く倒れ込んだ健吾を見下ろす匠の
「ハァ……」
荒げた息が白くなってその口から吐き出される。
「勝算のない喧嘩を売るようなバカな奴は、見ているだけで苛々する…」
弱いくせに生意気な
そう言い捨てて匠は柚子の元へ戻っていった。
まだ意識の戻らぬ彼女を抱き上げる。
同時に、静まり返った部屋に新たな男が現れた。
「…ハァ…、…あ? もう終わってんじゃん」
「…下の連中はどうなった、修一」
「一応、軽めに縛っといたけどな」
邪魔だからくるなとあれだけ言っておきながら…、ひとりを捕らえてさっさと二階に上がった匠。
おかげで、下にいる数人の相手は修一がすることになってしまったのだ。
「修一…っ…」
床から顔をあげた健吾は憎々しげに唸った。