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不良の彼は 甘くて強引
第26章 連鎖
「…んむ…っ…」
玄関に入り柚子が降ろされた途端、匠の肩から鞄が放り投げられ
「…柚子…」
息もままならないほどの強い抱擁が与えられた──
ずっと堪えていた
まるでそう訴えかけるような力強さ。
目が覚めてから間もない柚子は、薄暗い工場の冷たい床… そして、こうして自分を包む男の温かさ…
その対照した温度の違いに、ようやく置かれた状況を思い出す。
縛られていた手首のピリピリとした感覚。
ああ…
わたしは助かったんだ。
匠さんが、来てくれたんだ。