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不良の彼は 甘くて強引
第26章 連鎖
「…ごめんなさい」
深い安堵に溜め息を漏らした彼女の口からは、自然とその言葉が出てくる。
いつまでも弱い自分が悔しかった。
海でも、沼田の時でも
彼の力ずくなやり方によって守られるしかない… そんな自分が申し訳なかった。
自分の意識が無い間に何があったのか…
どう考えても、あの健吾という男が何もなしに帰らせてくれたとは思えない。
「…わたしのせいで…ごめんなさい……!」
強くなろうと決めた筈なのに
結局何も変わっていない
また彼を、終わらぬ連鎖に引き戻してしまった。
「…五月蝿い」
「……!」
彼女の謝罪は匠によって有無を言わせず遮られた。
「…少し黙っていろ」
今しばらく、何も言うな…