この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第26章 連鎖
しばしの沈黙
言葉にならない匠の想いが
その抱き締める腕を通して柚子の心に揺さぶりをかけながら彼女の鼓動を速めていく。
「…怖かったか」
その沈黙を先に破ったのは匠の方だった。
「……!」
「…俺は…っ…震えるほど怖かった…」
もともと、柚子と共に出掛けるのを避けていたのはこうなるのを警戒してのことだ。
それを…
お前をこれほど欲した途端
失ってしまうのかと…!!
「…匠さん…ッ?」
彼の、こんな声を聞いたのは初めてだった。
匠は柚子の頭を押さえて
彼女の頬を自らの胸板に押し付ける。
かなり強引な抱擁だが、そうする本人の声色は随分と弱々しい…。
「……、すまなかった…!!」
それは、柚子が今まで耳にしたことの無かった
「……!?」
彼の、心からの謝罪──