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不良の彼は 甘くて強引
第27章 柚子の過去

─────…
「…柚子、栗金団は?ちゃんと食べてる?」
コタツの上に広げられた重箱の中には、彼女の母が腕に寄りをかけて作り上げたお節料理が詰められている。
「…うん、食べるよ。今はお雑煮食べてるから」
「数の子は?」
「数の子は…嫌い」
正月にあわせて、大学に入って二度目となる実家帰りをした柚子。
本当は年末の大掃除も手伝うことになっていたが、なかなか予定が合わず…
昨日帰ってきた彼女は、帰省ラッシュの人混みでくたくたな状態になっていた。
「おいおい、大丈夫か」
どこまでも伸びる餅に悪戦苦闘中の柚子に、父が心配して声をかけた。

