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不良の彼は 甘くて強引
第5章 なぜここにいるの
真っ赤になって俯く柚子の反応に、匠は満足気な顔をみせると、抵抗を止めた彼女をそのまま引っ張っていった。
「この辺か」
人通りの少ない廊下のコーナーで立ち止まり、ようやく匠は手を離す。
柚子は真っ赤なまま…
それでも匠を睨みつけていた。
「……返してください」
「ほらよ」
匠は鞄から彼女の白いショーツを取り出し
柚子の鞄に押し込んだ。
「なっ…!!」
普通は袋か何かに入れてくるものでしょっ
誰かに見られてたら…!
焦った柚子は辺りをキョロキョロ見渡す。
「礼はないのかよ」
どうしてこの男は、こう、上から目線にものを言えるのか
あなたに感謝することなんてあるわけないじゃない
口から漏れそうになる不平を懸命にこらえ、柚子は匠に聞いた。
「あなたは…どうしてここにいるのですか?」
何故、わたしの目の前にいるのか。