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不良の彼は 甘くて強引
第5章 なぜここにいるの

いつの間にか、辺りの人影は消えていた。
「それにしても」
匠は再び彼女の腕を捕らえると、その身体を引き寄せた。
「お前みたいな馬鹿な女がこの大学にいる事には驚かされたが…、まさか法学部とはな」
離れようとする柚子をさらに引き寄せる。
「正義面した無力な人間にはお似合いだ…柚子」
「・・・・・」
正義面
その言葉が 彼女の耳に引っかかった。
彼女はもともと、この言葉に敏感だった。
「………何が悪いんですか」
「ん?」
「あなたのような人間が……、何を馬鹿にしてそんなこと…!!」
「──…」
「あなたなんかに…!! そんなことを言える資格なんて……っ、…きゃあっ!!!」
言い終わるか終わらないかの瞬間
匠は勢いよく彼女を壁に押し付けた──

