パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第30章 君､想い…

「…違うんです…!」


乱れた服はそのままに、翔の腕に素直に抱かれたまま柚子は言葉を続けた。



「…わたしが悪い…!」

「……!?」

「だって…っ…先輩の気持ちを知っていたのに…」



ずっと前から知っていたのに

『君を待つ』というその言葉に甘えて…、都合よく考えないようにしてきたから。


自分の気持ちをはっきり伝えることを避けてきたから…!





「……怖かったんです」

「……っ」

「…もし先輩がいなくなったら、わたしは…一人になってしまう…!」



匠さんとのことで

辛くて、苦しくて、どうしても涙が止まらなかった時──。


何故だかいつも、そこには先輩がいて…


どんな時も、わたしの力になってくれて、見守ってくれて


その温かさにわたしは
孤独を感じずにいられた。



だから

きちんと言えなかった。



先輩に、離れていってほしくなかったから──