この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第31章 それぞれの選択
「でも…──」
「……」
「匠さんはもう…わたしと会ってくれないかもしれない……!!」
一気に悲しい表情に戻った柚子を見て
翔は唇を引き結んだままに笑ってみせた。
そうして、彼女の方へ手を差し出す。
「…おいで」
「……っ」
柚子の足はひとりでに、彼のもとに戻っていた。
駆け寄ってきた彼女を
差し出された手がふわりと包み込む…。
「……そんなことは…俺が許さない…」
「……!」
「……大丈夫」
「……」
彼女を安心させるように…その背中を軽く叩いた。