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不良の彼は 甘くて強引
第31章 それぞれの選択



「バスケが好きなのかい?」


「…」


相変わらず気に喰わない。


「…ふん、この場所に呼び出したのはお前の方だろう」


……茶髪男が。



「だからその…" 茶髪 "ってあだ名やめてくれないか?…俺のはそれほど茶色くないし…」




はぁーとひとつ溜め息をついて、翔は手にしたボールを持て余す。




シュッ



軽くスナップをきかせて投げたボールは、布のこすれる音とともにネットをすり抜けた。


落ちてきたボールを再び手に取り、匠の方に向き直る。



「お前の方こそ、バスケしてるのか……」

「…別に。ただ高校の時の友人にバスケ部がいて、たまに助っ人を頼まれていた」

「・・・」


特に興味はない。



「…どうでもいいが…、そもそも何故お前が、俺の番号を知っていたんだ」


電話番号など、教えた覚えはない。



「ん……。君の親友をね、仕事場まで出向いて少し脅したんだ。あることないこと職場の人間に吹き込むぞとね…」

「……!!」

「予想通り、話せばわかる人だった。君の連絡先を快く教えてくれたさ」



要するに…脅迫だけど。




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