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不良の彼は 甘くて強引
第31章 それぞれの選択
「俺が、ずっと前から願っていたこと…──」
「……」
「彼女が…柚子が幸せになれればいい」
いつも泣いてばかりの彼女を
笑顔にしたい
…それだけだ。
想い人としての彼女にはすでに別れを告げた今
俺が可愛い後輩にしてやれることはそれだけ…。
「……」
なにをそんな、今更なことを…。
匠は自分の首に手をそえると、音を鳴らして捻った。
「──で?」
「……」
「だから、俺に柚子はまかせておけないとでも言いたいのか?」
無表情のまま、翔の持つボールを顎で示す。
「…柚子を賭けて、俺とフリースロー対決でもしにきたのかよ」
馬鹿馬鹿しい…。