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不良の彼は 甘くて強引
第31章 それぞれの選択
パシッ…
ボールを受け取った匠。
「…君が勝ったら、後は好きにすればいい」
「……」
「俺が勝ったら…
もう一度、彼女に会ってくるんだ」
「……!?」
柚子に、会う…?
何故そんなことを、お前に指図されなければならない。
目を細め、ムッとした表情を見せる。
「…どこから投げるんだ」
「そうだね…、ちょうど3ポイントラインにいるから、そこからでいい」
「……」
まだ納得できない匠は暫くボールを指の上で回しながら、こちらの様子を眺めるその男を睨みつけた。
何故お前が、これほど…
俺の決断に首を突っ込む。
俺のことをどこまで知っているというんだ。
俺と柚子の…
何を知っているというんだ。
…だから俺は、お前のような人間が気に喰わない。