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不良の彼は 甘くて強引
第31章 それぞれの選択

「──…!!!」
バシッ―………ッ!!
匠に目掛け全力で投げられたそのボールが、咄嗟に防いだ彼の腕に当たり弾き飛ばされる。
そうしてあらぬ方向に飛ばされた後、暗がりの向こうに消えていった。
「………ッ」
ボールを弾いた左腕がジリジリと痛む。
…匠は顔をしかめた。
「何の真似だ貴様…!」
突然の攻撃に、匠の目には苛立ちを通り越して怒りの色が表れる。
「ハァ……!」
此方に鋭い目線を向ける匠に
荒く息を吐き出した翔は足先を向けて歩を進める。
「…!?」
「君の方こそ……!!」
匠の襟をガシリと掴み
自らに引き寄せた。
「いい加減にしてくれないか…!!──市ノ瀬…!!」

