この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第6章 忍び寄る陵辱の影
────
午後の講義が終わり帰り支度をする柚子。
ぱたぱたとノートを閉じて片付ける彼女は、どこか急いでる様子。
“見つかる前に、さっさと帰らなきゃっ”
見つかる、というのはもちろん匠にということである。
肩に鞄をかけ出口の方向へくるりと向きを変えた。
すると──
「…?」
「あ…!き、君が矢崎さん?」
目の前に知らない男
年上のように思われるが…
「?…そうですよ」
「ああ、やっぱりそうか…、……ハハッ」
「……?」
柚子はなぜか挙動不審なその男に、思わず眉をひそめた。
ただそれは無理もないことではあった。
何故なら今彼女の前にいる男は…
色白、体つきもひょろく、猫背でメガネの …いかにもなオタク男子。
相手が柚子でなかったならば「きもい」と一言浴びせられても仕方ない風貌だ。
「なにか、ご用ですか?」
柚子は男を不審がりながらも、優しく微笑みを作って尋ねた。
「いや、実はさ…、山藤さんに伝言頼まれたっていうか…」
山藤さんとは、美佳ちゃんのことだ。