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不良の彼は 甘くて強引
第6章 忍び寄る陵辱の影




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午後の講義が終わり帰り支度をする柚子。

ぱたぱたとノートを閉じて片付ける彼女は、どこか急いでる様子。



“見つかる前に、さっさと帰らなきゃっ”


見つかる、というのはもちろん匠にということである。


肩に鞄をかけ出口の方向へくるりと向きを変えた。




すると──




「…?」

「あ…!き、君が矢崎さん?」


目の前に知らない男
年上のように思われるが…


「?…そうですよ」

「ああ、やっぱりそうか…、……ハハッ」

「……?」


柚子はなぜか挙動不審なその男に、思わず眉をひそめた。


ただそれは無理もないことではあった。


何故なら今彼女の前にいる男は…

色白、体つきもひょろく、猫背でメガネの …いかにもなオタク男子。

相手が柚子でなかったならば「きもい」と一言浴びせられても仕方ない風貌だ。



「なにか、ご用ですか?」

柚子は男を不審がりながらも、優しく微笑みを作って尋ねた。


「いや、実はさ…、山藤さんに伝言頼まれたっていうか…」


山藤さんとは、美佳ちゃんのことだ。



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