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不良の彼は 甘くて強引
第32章 湧き立つ想い

「匠さんのお父さんの事情を知ってあなたの心の内を感じた時、あなたの無念が痛いほどわかった…」
あなたが周囲の人間を恨む気持ちも、復讐の道を歩む理由も…
よく理解できたから、よけいに辛くて。
「だからあなたを、救いたいと思ったんです」
「……」
「復讐の人生から抜け出して一緒に生きて欲しかった…」
それだから
匠さんが…《変わってやる》って言ってくれた時
すごく嬉しかった…。
大丈夫
匠さんはまだ間に合う。
憎しみの感情は簡単に消えるものじゃないけれど、少しずつ…少しずつ…
同じくらいの温もりで、埋めていけばいい。
これからずっと──
彼と一緒に、そうやって生きていきたい。
そんな風に、願っていました。

