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不良の彼は 甘くて強引
第35章 エピローグ
電車を降り、駅を出てアパートへ向かう。
帰り道、ふと空を見上げてみると…曇りだったせいかそこに夕焼けはなかった。
──…あの日は確か
空は美しく朱に染まっていた。
少し道をそれてみた柚子は
動き出す足にまかせて歩いてみる。
そうして彼女が辿り着いたのは工事現場。
そこはもともと、古い倉庫が建っていたのだ…。
それが取り壊され、一度さら地となったこの土地に新しく建設が始まっている。
カンッ カンッ...
もう辺りも暗くなってきたというのに…働く彼等は金属音を響かせながら鉄骨の間を歩いていた。
骨組みを見るに家では…なさそうだけど、何ができるのだろう。
プルル...プルル....
「…あ」
鞄の中の携帯がバイブレーションを起こして着信を彼女に伝える。
「──…!」
表示された相手の名を見た柚子。
....ピッ
「……、…もしもし?」
電話の向こうから聞こえた声
「…えっ…本当ですか!?」
───