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不良の彼は 甘くて強引
第35章 エピローグ
───…
大学近くにある
小綺麗なカフェ。
午後の暖かな日溜まりにある窓側の席に、一組の男女が座っていた。
「…この前はすまなかったね。急に電話して…」
優しげな物腰でカップを手に取り口に運ぶその男は、店内の目線をさり気なく集めている。
「……いいえ、…結局、先週の日曜日は都合がつかなかったせいで、一週間以上も遅れちゃって」
何となくそれらの目線に気づいた柚子は、少し落ち着かない様子で返事をした。
「いいんだよ。先週はコンサートに行って来たんだろう?…楽しめたかい?」
「…コンサートというか、リサイタルです」
幽かに湯気の残るミルクティーを、柚子はコクリと一口飲んだ。