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不良の彼は 甘くて強引
第7章 愛か怒りか苛立ちか
ゴトンと音を立てて落ちたシャワーは、そのままあらぬ方向へ水を撒き散らす。
「……」
匠はそれを拾い上げ自らも頭から水を被った。
彼がシャワーを浴びる前では、両手で肩を押さえがたがたと震える柚子。
彼女の顔から滴り落ちる水滴の中には、シャワーの湯とは別のものが含まれていた──
匠はそんな彼女を無言で見つめながら全身を洗い流し、それが終わると蛇口を捻る。
ポタッ...ポタッ...
二人の身体から滴る水音がバスルームに静かに響いている。
「……ぅう」
そこに…柚子の嗚咽が混じった。
無言のまま石鹸を泡立て始める匠
その間にも
彼女のむせび泣く声は徐々に強まっていき
そして匠は、泡立てた大量の泡を彼女の震える背中になすりつけた──