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不良の彼は 甘くて強引
第2章 運命の日
その教室も高3の夏にやめた。
彼女が目指す大学は、習い事と両立しながら目指せるレベルではなかったから。
大学生になりまた護身術を学ぼうと探せば何かしらあるだろう。
ただ、他のスポーツに興味もあるわけで……
「わかんないっ」
取りあえず、先ずはこの大学生活
──とりわけ男子に
慣れることが先決だ。
サークルはまた、余裕ができてから…
“ アルバイトも早い内に探さなきゃなあ…、もう! 何だかんだで余裕ないじゃない、わたし ”
ふぅっと溜め息混じりに席を立ち、ノートを鞄に閉まって帰る準備を始める。
「あれ、矢崎さん」
「(びくっッ!)…ん、なあに?」
「今から帰るところ?」
「あー、いや、まだ…かな?」
「そっか… 俺今から帰るから、一緒に帰ろうかと思って」
「まぁ、ありがとう。また今度ね」
逃げるように教室を出る。
何やってるのわたし
「はぁ…」
今度こそ出たのは、盛大な溜め息だった…。