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不良の彼は 甘くて強引
第8章 S彼とお出掛け

上半身だけそっと起こして
彼の顔から部屋の風景に目を移す。


昨日はろくに見れてなかったその部屋は、モノトーンの非常に落ち着いたコーディネート。


“……広い!! ”


大学生で、こんな広い部屋借りるものなの?

わたしの部屋は家賃ケチったせいでなかなかに狭いから、余計広く感じる。



“どうしよう、ベッドから出たいんだけど…”


取り敢えず隣に男の人が寝ているこの状況は落ち着かない

だけどこの広い部屋を全裸で歩き回るのは嫌だ…


どうしたものかと考え込む柚子。




と その時




ガシッ



「……わッ!!」


その手首を男の手ががっしりと掴み、彼女の身体はまたベッドの上に引き戻された。


「・・・・!!!」

再びベッドに横になった柚子は驚いて目を瞑った。




「──…?」





スーーー





「?」 あれ、寝息?



恐る恐る目をあける──



「寝てる…?」

「……マッテクレ…」


“ん、何か言ったような ”


柚子は不思議そうに匠の顔を覗き込んでいた。




「・・・・」


「スー、スー」


「・・・・」


「スー、スー」


「・・・・?」


「   」


あれ、寝息が止まった。



パチッ....


「……あッ!!」


匠の目が開いた瞬間

完全に油断していた柚子は思わず大きく反応してしまった。




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