この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
不良の彼は 甘くて強引
第8章 S彼とお出掛け
その時、部屋の呼び出し音が鳴った。
濡れた髪をタオルで拭きながらモニターを覗く匠。
「ああ、入っていいぞ」
そうして何かボタンを押した。
“え…っ、今もしかして、エントランスの鍵を解除したんじゃ…!? ”
少ししてドアをノックする音が
「おい、着たぞ」
どこかで聞いたことある声。
すると匠はその人物を出迎えに行く。
「ちょ、ちょっと待って!!」
わたし服着てないし!
彼女の訴えは無視され、匠はお構いなしにドアを開けた。
「早かったな、修一」
「まぁな」
「──…!!」
よりによってどうしてこの人なの--!!?
“ああもう どうしようどうしよう……”
その男は当然のごとく部屋に入ってきた。
ベッドの上で縮こまった柚子は、布団を顔までたくし上げ蒼白となっていた。
この人には見覚えがある
わたしが思いっきり投げ飛ばした男だ。
「なに隠れてやがる」
とっさに布団を頭から被る。
「安心しろ、修一は女に暴力は振るわない」
「・・・」
レイプは立派な暴力です!!
「ったく、せっかく服届けてやったのによー」
・・・・・?
「服?」
布団から顔だけ出す。
修一が鞄から取り出したのは、スカート、シャツ、と、下着
要するに、先程の電話の相手は彼だったようだ。
服の無い(捨てたのは匠だが)柚子のために、女物の服を届けさせたということ。