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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第17章 挑発
「只・・・・沖縄で好きな女と週末を過ごすのも悪くはない、と」

「あ、あの人は・・・・そんな人ではありませんっ」

無礼な言葉に、香奈子は大きな声を出した。

(おほっー・・・・怖ぇ・・・)

竹内は、おどけたそぶりで肩をすくませた。

その軽薄な態度に益々怒りを覚える。

「まあまあ、奥さん・・・・ほんの冗談ですから」

切り返す言葉に、香奈子は顔を真っ赤に染めた。

(わ、わたし・・・何をムキになっているのだろう?)

自分でも不思議だった。

異常に興奮しているのである。

たわいの無い冗談の筈なのに、イチイチ胸に突き刺さる。

だが、思い当たるふしが全く無いわけではなかった。

この一ヶ月余り、夫の遅い帰宅が極端に増えていた。

そんな日は決まって、スーツに香水の残り香が漂っていたのだ。

晴彦はその間、一度も妻を抱こうとしなかった。

夫を疑る訳ではないが、面白く思っていない事は否定できない。

そんな思いを竹内に悟られまいと、毅然とした口調で言った。

「今までだって長期の出張は何度かありましたし、私は夫を信じています」

だが、言葉をつなげる程言い訳がましく聞こえるのか、男が薄笑いを浮かべているように感じてしまう。

(フフフ・・・・)

実際、竹内は心の中で笑っていた。

(熱くなってるぜ・・・・結構、図星だったようだな)

香奈子の気持ちは、手に取るように分かっていた。

(それもその筈さ・・・俺がセッティングしているんだからな)

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