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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第17章 挑発
再会した男達は、よく一緒に飲むようになっていた。

それは晴彦にとって、夢のような世界だった。

勿論、会社の社長であるから接待等で高級クラブには慣れていた。

浮気も何度か経験がある。

しかし、婿養子である手前、派手には遊べはしなかった。

『しかし、驚いたな・・・お前がこんな』

『いい女達だろう?』

竹内は満足そうに言った。

二人の廻りに座る女達は、いずれも美女揃いだった。

『俺は若い頃、お前と違って全然もてなかったからな』

だが、今は違う。

竹内は自信たっぷりの口調で話している。

二人の立場は逆転していたのだ。

クラブの飲み代は勿論、何人かの女を紹介してもらっている。

今、隣に座っているスレンダーな美女は晴彦のお気に入りだった。

『じゃあ、ゆっくり楽しんでくれよ』

気をきかせているのか、一時間ほど飲むだけで竹内は何時も先に席を立つ。

『悪いな、竹内・・・』

弱みを握られているようで、晴彦も卑屈な笑みを浮かべてしまう。

『良いって事よ・・・それより、又お前の家にいってもいいか?』

『いいけど・・・?』

だから、友が言う交換条件にも断る勇気がなかった。

『家庭の味に飢えてるんだよ・・・・何か、ホッとするんだ』

『あ、ああ・・・・』

曖昧に返事をしながらも、直ぐに妻や娘の不機嫌な顔が浮かんだ。

竹内は歓迎されてはいなかった。

前回来た時も晴彦の昔からの友人という事で二人は気を使って応対したが、粗野なマナーやしきりに吸うタバコの煙に辟易としていたのは明白だった。

それなのに、再度の訪問を納得させるのは骨が折れる事だろう。

そもそも、どうして我が家に来たがっているのか晴彦には理解出来なかった。

もしかしたら妻に気があるのだろうかと、余計な勘ぐりをしてしまう。
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