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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第30章 後悔(第五部)
それは香奈子も同じだった。

「圭ちゃん・・・」

バックミラーの中で遠ざかっていく、娘の姿を見つめていた。

ハンドバックを持つ指が微かに震えている。

留め金を外し、中を覗き込む。

写真ホルダーを取り出すと、暫く眺めていた。

夫と娘と共にうつる香奈子の笑顔は幸せそのもので、今の悩み等微塵も感じられない。

その分、不条理な怒りがこみ上げるのかホルダーをギュッと握り締た。

家族の幸せを壊そうとしている自分が許せなかった。

携帯電話を取り出すと、細い喉が上下した。
待ち受け画面に自分の顔が浮かび上り、複雑な気持ちでホルダーの写真と見比べている。

(嬉しそうな、顔・・・・)

愛する家族に囲まれている写真よりも、無邪気な笑顔を見せている。

ウットリとした表情はどのシーンの映像だろうか。

脳裏に淫らな自分が、次々と浮かび上がってくる。

『凄いっ・・・・入ってる・・・・ああ・・・・・凄いぃ』

男と初めて繋がった瞬間だろうか。

『あああ・・・竹内さん・・・・』

それとも体内に熱いザーメンを受け入れた後、愛おしそうに男の名を呼んでいる時の事だろうか。

言える事は送りつけられた映像で見る限り、自分はセックスを心から楽しんでいたという事だった。

レイプされたとはいえ、夫以外の男と交わり、しかも感じていた。

この陶酔する表情が、何よりの証拠である。
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