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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第31章 Pホテル
「でも、あなたの家庭を壊す事は出来ない」

巧みに気持ちを操っていく。

「今夜だけでも、一緒にいてくれないでしょうか?」

逃げ道をちらつかせながら、香奈子を追い込んでいく。

「一度だけでいいんです。データは破棄しますよ、必ず」

(ああ・・・・だ・・・め・・・・ち、違う)

それが罠である事は香奈子も十分に理解していた。

「十二時まで・・・・いや、一時間だけでもいい」

嘘に決まっている。
騙されてはいけない。

だが、そう想いながらも徐々に言葉に酔い始めている。

「約束しますよ」

「ああ・・・」

ギュッと握り締める力に、ため息が漏れてしまう。

「僕の方からは決して、あなたに手を出しませんから」

表情の変化を読み取る男は、言葉を切らす事無くつなげていく。

「だって、そうでしょう・・・?無理にあなたを奪っても幸せにはなれやしない・・・」

(だ、だめ・・・・)
気持ちが揺れる。

「思い出が欲しいんだ・・・」

(あああ・・・・)

執拗な問いかけに、香奈子は逆らう事が出来なくなっていった。
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