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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第44章 覗き見
ドアの隙間から階下を覗いていた圭子は、辛抱強く男が出るのを待っていた。

「ハハハハハ・・・・」

機嫌よく酔っているのか、笑い声をあげている。

「ちょっと・・・・ダメよ・・・」

母が小声で制している。

2階にいる娘を気にする素振りに圭子は顔を伏せた。

下から見える筈はないのだが、思わず反応してしまった。

やがて静けさが戻ってきた。

二人は多分、客用寝室として使っている離れにある和室に向かったのだろう。

ソッとドアを開けると少女は足を慎重に踏み出し部屋を出た。

階段を下りながら胸の動悸が激しくなるのを感じていた。

「どうしよう・・・?」

心細げに呟いた。

手には果物ナイフを持っている。

(でも・・・・いくしかないじゃない)

自分に言い聞かせるように、念じている。

「はっ・・・・はぅ・・・」

押し殺そうとしているのに、口元から息が漏れてしまう。

心臓の鼓動が益々激しくなっている。

異常な興奮が、圭子の身体を渦巻くように包んでいた。

勿論、少女には何の勝算もなかった。
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