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レモンティーな朝焼け―母娘調教―
第44章 覗き見
(許せない・・・)

そのフレーズが常に頭に浮かんでいただけだった。

憎んでも憎みきれない男。

竹内が訪れてから矢島家は崩壊寸前だった。

気品あふれ、尊敬していた母は男の性奴隷に墜ち、淫乱に調教されてしまった。

優しかった父も、この頃ではしょっちゅう家に帰らなくなっていた。

(きっと、あの男のせいよ・・・)

圭子はそう思いたかった。

見知らぬ中年の痴漢に身体を弄ばれたのも、前の夜に訪れた竹内の影響があった筈である。

(そうじゃないと、説明がつかない・・・)

今の歳になるまで何も知らなかった自分があれ程、乱れるなんて。

『可愛い顔をして、淫乱なんだな、お前は?』

屈辱的な言葉を囁かれても否定するどころか、頷いてしまったのである。

(しかも・・・)

母を犯す竹内の痴態を覗き見ながら、興奮した圭子は自ら快感を貪っていたのだ。

今夜、訪れると母から聞いた時、心がときめいたのは、男に殺意を抱いていたからだった。

勿論、か弱い少女の身で殺す事などはできやしない。

だが、あわよくば竹内が眠っている隙に忍び込み、のど元にナイフを突きつけてやりたいと思ったのである。

そして、母から手を引くように訴えるつもりだった。

十六歳の高校生が考える事はそこまでで、それからどうなるなど思いもついていない。

母のためと証拠にとった携帯電話に転送した映像を毎日見ながら、実は興奮して自分を犯してしまった事に心を痛めていた。
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