この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
嵐の夜に痕をつけられて
第3章 先輩と暗闇と雨 ★
どれくらい泣いていたのだろう。
ひとしきり泣くと段々頭が冷静になってくる。
この状況ってものすごく恥ずかしい状況かもしれない。
相沢さんは相変わらず私を抱き締めて頭や背中を撫でている。
でもこの人は職場の先輩だ。
家族でもなければ気の置けない友人でもない。
その相沢さんの前でなんて醜態を晒してしまったんだろう。
彼氏に浮気されて振られて泣くなんて格好悪いにも程がある。
しかもここは停電した真っ暗な部屋だ。
誰もいないとはいえ、男女が抱き合っているのは色々まずい。
「あの、すみません。もう大丈夫です」
「ん? 落ち着いた?」
「はい、本当にすみませんでした」
「うん、よかった」
そう言っているにも関わらず相沢さんは離れようとしない。
耳元で話されると今の状況に余計緊張して恥ずかしさが増していく。
「あ、相沢さん?」
「立川、本当にもう大丈夫? スッキリした?」
「は、はい。ありがとうごさいました」
「それじゃあ、今からちゃんとアイツのこと忘れようか」
「え?」
相沢さんの身体が離れたかと思うと、すぐに大きな掌で両頬を包まれた。
そのまま顔を上に向けられると温かい人肌が私の唇を覆う。
「んっ……!」
隙間をこじ開けて相沢さんの舌が滑り込んでくる。
暗闇に慣れた視界が相沢さんの顔を捉えると、苦しそうに細めた瞳が私を射抜いていた。
ひとしきり泣くと段々頭が冷静になってくる。
この状況ってものすごく恥ずかしい状況かもしれない。
相沢さんは相変わらず私を抱き締めて頭や背中を撫でている。
でもこの人は職場の先輩だ。
家族でもなければ気の置けない友人でもない。
その相沢さんの前でなんて醜態を晒してしまったんだろう。
彼氏に浮気されて振られて泣くなんて格好悪いにも程がある。
しかもここは停電した真っ暗な部屋だ。
誰もいないとはいえ、男女が抱き合っているのは色々まずい。
「あの、すみません。もう大丈夫です」
「ん? 落ち着いた?」
「はい、本当にすみませんでした」
「うん、よかった」
そう言っているにも関わらず相沢さんは離れようとしない。
耳元で話されると今の状況に余計緊張して恥ずかしさが増していく。
「あ、相沢さん?」
「立川、本当にもう大丈夫? スッキリした?」
「は、はい。ありがとうごさいました」
「それじゃあ、今からちゃんとアイツのこと忘れようか」
「え?」
相沢さんの身体が離れたかと思うと、すぐに大きな掌で両頬を包まれた。
そのまま顔を上に向けられると温かい人肌が私の唇を覆う。
「んっ……!」
隙間をこじ開けて相沢さんの舌が滑り込んでくる。
暗闇に慣れた視界が相沢さんの顔を捉えると、苦しそうに細めた瞳が私を射抜いていた。