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嵐の夜に痕をつけられて
第6章 相沢の謝罪
「わ、忘れられません!」


私が急に大きな声を出したせいか、相沢さんは目を見開いて驚いている。


「確かにあの日は……すごくびっくりしました。
 その次の日も、なんで相沢さんはこんなことするんだろうって。
 ずっと相沢さんのことばっかり考えてて。
 だっていつも相沢さんは優しくて、私の話をちゃんと聞いてくれて……」


そうだ。この人はいつも聞いてくれた。
どうした、大丈夫か、本当は? 
そう言って私の本音を聞いてくれた。

相沢さんは絶対に私の言葉を無視しない。


「忘れられません。
 だから……責任取ってください。」


そう言う私の声は震えていた。
言わずにはいられなかった。


「……田上のことはちゃんと忘れたのか?」

「とっくに忘れました」


相沢さんが鋭い視線で私を射抜く。


「……本当に、責任取っていいんだな」

「はい」


そう答えた私の手を、相沢さんは黙って握って歩き出した。
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