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嵐の夜に痕をつけられて
第7章 もう我慢しない ★
恵の腕を掴む手に熱が帯びる。

相沢の自宅マンションのエレベーターの扉が開くと同時に、相沢は恵の腕を引いて歩き出した。
歩幅が大きいので恵は小走りでついて行く。

玄関ドアをカードキーで開けると相沢は無言で恵の腕を引き、内側に押し込めた。
そのままドアを閉めると、相沢は壁際に恵を閉じ込めて聞く。


「立川、俺もう我慢しないけどいい?」

「が、我慢?」

「そう、我慢。もう限界」


相沢はそれだけ言うと、恵の唇を塞いで一気に中に入ってきた。
覚えのある感触に恵の身体はすぐに反応してしまう。


「まっ……」

「くち、もっと、あけて」


低い声が耳に響く。
これから相沢にされることを期待して身体の奥に火が灯る。


「んっ、あっ」


言われたとおりに唇を開くと、相沢は性急に恵の舌を捕まえる。
我慢しないという言葉通り何もかも絡めとられると同時に、なだれ込んでくる快感で頭がジンジンしてくる。


「はっ、ん……」


声にならない嬌声が恵と相沢の隙間から漏れて、どちらのものか分からない唾液が唇の端から溢れる。
相沢はそれを舐めとり、そのまま恵の首筋を這っていく。

鎖骨のあたりでチリッとした痛みが走った。


「あっ!」


朦朧とし始めた頭が急に覚める。
恵が思わず相沢を見下ろすと、


「やっと俺のだ」


そう言ってニヤリと笑って見上げていた。
初めて痕をつけられたときと同じ所だった。


「俺のだなんて……」

「俺のだよ。二年待ったんだ。
 もう待たない。誰にも譲らない」
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