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私でよろしいのですか
第1章 私でよろしいのですか
主人に対して使用人として明らかに一線を引かれているのは分かっていた。
それでもこの少女の淫らな女の顔は自分の前でしか見せないのだという自負があった。

なぜただの庭師には微笑むのだ。
お前の主人は誰だ? 
主人以外に見せて、主人には見せないなど許さない。

肉欲と苛立ちが混じった衝動でハンナの中を掻き乱す。
思い切り揺さぶり、最奥を容赦なく穿つとハンナの声はもはや悲鳴に変わっていた。

その声にクラウスが冷静さを取り戻し、動きを止めて視線を上げると、ハンナは肩を小さく震わせながら泣いている。


「だんな、さま……」

「ハン……」


そう言いかけたとき、ハンナの手がクラウスを探すように伸びてきた。
思わず手を取りハンナを抱き起こす。
ハンナは瞳を涙で濡らしたまま、クラウスを見て静かに呟いた。


「私には旦那様だけです……」

「っ……」

「……私のことも手放しますか? ……父のように」

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