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第2章 美和子の部屋
「店長、都合付くの?」

「大丈夫よ。どうせ店長も誰かと楽しんでいるはずよ」

「田所のおばさまたちかな?」

「かもね……」

 エイコは笑いながらベッドから下りて、リビングに行ってスマホで連絡をしていた。

 時々聞こえてくるエイコの言葉を聞き流しながら、美和子と彩乃はキスをしていた。

「わたし、ずっと彩乃が好きだったの。その思いが叶ってうれしいわ……」

「わたし、本当にわたしになれたみたい」

 二人は抱き合ってキスをする。

「オッケーが出たわ。やっぱりおばさまたちと一緒だった」

 エイコが戻って来て言う。

「今晩九時からお店でだって」

「そう?」

 美和子が壁掛け時計を見る。

「まだ時間は充分にあるわ」

「また、する?」

 エイコが悪戯っぽい目をする。

「それとも、二人の邪魔しちゃ悪いから、わたしは店長の所に行こうかな?」

「ここから駅までは近いわよ、エイコちゃん」

「わあ、美和子さん、わたしを追い出す気なんだぁ!」

 エイコはぷっと頬を膨らませるが、すぐに笑顔になった。

「……でも、いいわ。店長の所に行くわ。パーティの準備も手伝いたいし」

「悪いわね」

「いいのよ、美和子さん。今日のパーティ、美和子さんと彩乃さんの恋人宣言のお祝いにするわ」
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